【徹底解説】DELF B1試験対策│Production orale(PO)の試験概要と採点基準

DELF B1のProduction orale(口頭試験)を受ける予定のみなさん。

何をどうやって対策すれば…?

と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

「とにかくフランス語をたくさん話せればいい」
「文法や発音を間違えなければ点数が取れる」
と思っている方もいるかもしれません。

でも、DELFの口頭試験では、フランス語の正確さだけが評価されるわけではありません。

たとえば、「自分の意見を理由とともに伝えられているか」「相手とのやり取りができているか」など、課題ごとに評価されるポイントが決められています。

つまり、DELF対策では、ただフランス語を話す練習をするだけではなく、「何を評価される試験なのか」を知ったうえで練習することがとても大切です。

この記事では、DELF B1 Production oraleの採点基準をもとに、試験官がどんなポイントを見ているのか、そして対策するときに何を意識すればいいのかを、DELF採点・試験官資格を持つフランス語講師の視点からわかりやすく解説します。

目次

試験内容と配点

B1のPOは3つのパートで構成されています。

まず最初にPartie 3で使用するテキストを2つ引き、そのうちの1つを選びます。そのあと、10分間準備の時間が与えられます。

準備時間が終了したら、試験官のいる部屋に案内されるので、そのまま3つのパートを続けて行います。

  • 準備時間:10分
  • 試験時間:約10~15分
  • 配点:25点満点(合格必要最低点5点)
Partie 1 : Entretien dirigé (自己紹介)
所要時間:2~3分

自分自身や家族について、これまでの経験や今後の計画などについて話します。

試験官からも随時質問されるので、それに答えながら会話を進めていきます。

Partie 2 : Exercice en interaction(ロールプレイング)
所要時間:3~4分

シチュエーションが書かれたお題を2つ引いて、その場で1つを選択します。

提示された状況や役割に基づいて、試験官とロールプレイングを行います。

Partie 3 : Expression d’un point de vue(プレゼンテーション)
所要時間:5~7分

あらかじめ選択したテキストのテーマについて、自分の意見を約3分間発表します。

発表後は、内容について試験官からの質問されるので、それに答えます。

採点基準

上記の3つのパートでは一体何が評価されているのでしょうか?

DELF/DALFを運営する”France Éducation international(FEI)”が公表している公式の評価表をもとに、詳しくみていきましょう。

採点項目

採点項目は大きく分けて

  • 課題の遂行能力 (Compétences pragmatique et sociolinguistique)
  • 言語能力 (Compétences linguistiques)

の2つに分けられます。

①では、各パートそれぞれに与えられた課題を適切な形で遂行できたかどうか、②では3つのパート全体を通して、語彙・文法・発音の3項目が総合的に評価されます。

評価カテゴリー採点項目到達レベル
【課題の遂行能力】Partie 1
・ある程度の自信を持って、自己紹介や自分の活動、興味、過去・現在・将来の計画について話せる

・自立的に話を膨らませることができる

・簡単な質問に対して、その場で自然に答えらえる
Partie 2・与えられた状況を正しく理解している

・自分の意見を主張しながら、問題解決に向けてやり取りができる

・謝罪する、説明する、提案するなど状況に応じた表現が使える

・相手の質問や反論にその場で適切に対応できる

・状況に応じた適切な言葉遣いができる

・主体的に会話をリードできる
Partie 3・テキストのテーマを簡潔かつ明確に説明できる

・自分の意見を具体例を挙げながら、説明できる

・順番を示す接続詞(d’abord / après / enfinなど)や、原因・結果・対立などを表す表現を使い、話を整理して展開できる
【言語能力】語彙・テーマや状況に合った語彙を使える

・B1レベル相当の語彙量・バリエーションがある
文法・文章の組み立て・B1レベルに適した文構造や文法を使える

・性・数の一致ができる

・前置詞が適切に使えている

・指示形容詞・所有形容詞などを適切に使えている

・関係代名詞や接続詞など、文と文をつなぐ表現を使えている
発音・聞き手が無理なく理解できる発音で話せている

Partie 1:自己紹介

Aレベルでも出題された内容ですが、B1ではただ試験官からの質問に答えるだけでなく、より詳細に自発的に話を展開していく必要があります。

こちらは事前準備が可能な内容なので、特に過去・現在・未来について、適切な時制や表現を用いてスラスラ話せるように準備しておくといですね。

Partie 2:ロールプレイング

出題されるテーマは、日常生活における何かしらの問題を相手と解決する、というシチュエーションがほとんどです。

例えば、

  • ホテルの部屋が予約していたものと異なるので、フロントで部屋の交換を交渉する
  • 家にひきこもりがちな友達を説得して、週末旅行に連れ出す
  • 騒音を出すご近所さんに苦情を言いにいく

など、状況を説明して、自分の主張や提案をしつつ、相手を説得して、双方合意に持っていくパターン。

これらの使えそうな表現は、事前に要チェックですね!

Partie 3:プレゼンテーション

ただ闇雲に話始めるのではなく、プレゼンテーションという形に添った型を用いるのが有効です。

B1だと「テキスト(テーマ)の紹介→自分の意見&具体例→結論」という形がわかりやすいですね。

B2では、テキストの紹介を「自分の言葉で言い換える」必要がありますが、B1では、1~2文程度でテキストの引用をしても減点にはなりません。

語彙

ここでポイントは知っている単語の数が重要なのではなく、テーマに沿って適切な意味と使い方ができているかという点が評価されます。

B1で取り扱われるテーマに関する語彙は、ある程度確認しておくと良さそうです。

文法

文法を少し間違えたからといって、毎回減点されるわけではありません。

ただ、Aレベル相当の文法を間違えると、チェックされる可能性は高いので、基本的な文法(動詞の活用や前置詞)などはミスがないように気を付けましょう。

Bレベルからは、単純で短い文章の連続だけではなく、少し長めの文章が作れるようになるとポイント高いです。

そのため、小難しい文法の練習問題をたくさんやるよりは、採点ポイントに沿った文法をおさらいして、文章の中でしっかり使えるように練習しておくといいですね。

発音

ここは確実に3点、もしくは5点を得点しておきたい項目ですね!

ネイティブレベルの発音じゃなくてももちろん大丈夫です。

多少の日本語のアクセントやイントネーションは考慮されますが、相手にしっかり伝わる発音であることが重要です。

普段、単語を覚えるときに、スペルだけ確認して、発音を間違えて覚えているパターンがよくあるので、新出単語は発音も毎回必ず確認するようにしてみてくださいね。

各項目の配点

それぞれの採点項目の配点は、「無回答・内容不十分」「B1未満」「B1」「B1+」の4つに分けられます。

採点項目無回答・内容不十分B1未満B1B1+
Partie 1012.54
Partie 2012.54
Partie 3012.54
語彙0135
文法012.54
発音012.54
無回答・内容不十分

発言内容が短すぎて、採点不可、もしくは趣旨から完全に外れている場合。受験レベルを大きく下回るレベル(A1相当)の場合。

B1未満

どちらかというとA2に近いレベルの場合。

B1

B1レベルに最低限相当しているが、まだ完全とは言えない場合。

B1+

B1レベルに十分に達している、もしくはそれ以上のレベルの場合。

それぞれのパートで、趣旨に沿って、何かしら発言ができていれば、基本的には0点というのは免れるのではないかと思います。

例えば、Partie 3で、テーマは「子供のSNS利用について」なのに、急に「地球温暖化防止」のような全く違うテーマについて話してしまったら、テーマを大きく外れているので、点がもらえない可能性はありますね。

この表を見てわかるとおり、B1では「語彙」の項目が他よりも少し高い配点となっていますので、B1では語彙力をしっかりつけておくと安心です。

とはいえ、もし文法ミスがあったり、簡単な単語しか使えなくて、「語彙」と「文法」の項目1点ずつしか得点できなくても、発音が正確だったり、3パートをしっかり確実に終えることができていれば、十分に挽回は可能ということです。

採点ポイント

それぞれの採点におけるポイントをより詳細に見ていきます。

Partie 1

B1未満
  • 自分や身の回りのことについて、簡単に話せる
  • つまることが多く、試験官のサポートがまだ必要
  • 自分や身の回りのことについての簡単な質問には答えられるが、あまり馴染みのないテーマではやり取りを続けることが難しい
B1
  • 自分や身の回りのことについて、明確に順序だてて話せる
  • 過去の経験、現在の活動、個人的・職業上の計画について、詳しい情報を加えながら試験官とやり取りできる
B2+
  • 自信を持って、自分や身の回りのこと、自分の専門分野についてやりとりができる
  • 身近な話題についての自分の意見を、簡単な理由を述べながら、自信を持ってやりとりができる

Partie 2

B1未満
  • 課題をある程度遂行でき、状況に合った表現を使うことができる
  • 同じ表現を繰り返し用いる
  • 予想外の状況に対応するために、時間が必要になることがある
  • 問題となる状況を把握し、簡単な説明をすることができる
  • 自分の考えを明確にするために、繰り返しや言い換えが必要になることがある
  • 基本的な丁寧表現は使えるが、場面に応じた言葉遣いを使い分けられないことがある
B1
  • 簡単で適切な表現を使って、課題を遂行できるが、複雑な考えを表現するために、言い換える必要がある
  • 情報をやりとりしたり、確認できる
  • あまり日常的ではない状況にも対応し、問題や困難について説明できる
  • 状況に応じた言葉遣いをおおむね使えるが、多少の混同することがある
B1+
  • スムーズかつ、効率的に課題を遂行できる
  • 予想外の状況にも対応できる
  • 問題に対する自分の意見を、説得力を持って主張できる
  • 時折、混同がありつつも、状況や相手に合わせた適切な言葉遣いを使える

Parite 3

B1未満
  • テキストのテーマを把握し、簡単な表現で自分の意見を述べることができる
  • 自分の考えを明確にするために、繰り返しや言い換えが必要になることがある
  • 時折、話が本題からそれることがある
  • 自分の意見を詳しく説明したり、根拠を加えるために、試験官のサポートが必要
B1
  • テキストのテーマを簡単な言葉で紹介できる
  • 自分の意見を述べ、理由や簡単な説明を加えて意見を展開できる
  • 自分の意見を正当化するために、理由を示すことができる
  • 自分の意見を詳しく説明したり、根拠を加えるために、必要に応じて試験官のサポートが必要
B1+
  • テキストのテーマと自分の意見を、簡単な議論を展開しながら、ほぼ問題なく述べることができる
  • 複数の理由や具体例を使って、自分の意見を正当化できる

Lexique 語彙

B1未満
  • 基本的なコミュニケーションに必要な語彙は持っている
  • 自分の身の周りや、関心から離れたテーマについて話すには、語彙の幅が十分ではない
B1
  • 身近なテーマや日常的な状況について、幅広い語彙を適切に使える
  • 日常生活のより複雑な考えや単語を表現するために、言い換えができる
  • 複雑な内容を表現するときには、語彙の誤りや繰り返しが見られることがある
B1+
  • 身近なテーマや自分の関心分野、一般的な社会的テーマについて、ほぼ制限なく幅広い語彙を使える
  • 予想外の日常的な状況でも、対応することができる
  • 繰り返しや、詰まることがあっても、さまざまな表現が使える

Morphosyntaxe 文法

B1未満
  • 簡単な文構造や文法を適切に使うことができる
  • より複雑な文構造を使おうとすると、基本的な文法ミスが見られる
B1
  • よく使われる文構造や文法形式を、十分な正確さをもって使える
B1+
  • 幅広くなくても、複雑な文構造や文法を使える

Maîtrise du système phonologique 発音

B1未満
  • 基本的な単語や表現を正しく発音できる
  • 全体的に、理解可能な程度には明瞭に発音できる
  • 時折、聞き返す必要がある
B1
  • 全体的に理解できる発音である
  • イントネーションやアクセント(強勢)に多少不自然さが残るが、よく使う単語や表現を適切に発音できる
B1+
  • 全体的に正確な発音やイントネーション、アクセント(強勢)を用いることができる
  • 発音の不明瞭さがあっても、大まかな理解に影響がない

こちらの表をもとに自分が今どの段階にいるのかをチェックしてみてくださいね!

まとめ|採点基準を知ることがDELF対策の第一歩

今回は、DELF B1 Production oraleの採点基準について詳しく解説しました。

評価表を見てみると、DELFの口頭試験では、文法や語彙、発音といったフランス語の正確さだけではなく、「状況に応じて問題解決ができる」「自分の意見がしっかり伝えられる」といったような「与えられた課題を遂行できているか」という能力の部分も重視されていることがわかります。

そのため、DELF対策では、ただフランス語をたくさん話したり、難しい表現を覚えたりするだけではなく、採点基準を理解したうえで、自分に足りない力を把握し、それに合わせて練習することが大切です。

まずは今回紹介した採点基準を見ながら、「自分はどの項目ができていて、どの項目をもう少し練習する必要があるだろう?」と振り返ってみてくださいね。

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