【徹底解説】DELF A2試験対策│Production orale(PO)の試験概要と採点基準

DELF A2を受験する方の中には、A2ではじめてDELFに挑戦する方もいれば、A1に合格して、次のステップとしてA2を受験する方もいらっしゃるかと思います。

A2になると、A1と比べてどのくらいのフランス語力が求められるのでしょうか?

この記事では、France Éducation international(FEI)が公表している公式の評価基準をもとに、DELF A1 Production oraleの試験内容や採点基準、試験官が見ているポイントを採点・試験官資格を持つフランス語講師がわかりやすく解説します。

ぜひ試験対策に役立ててくださいね!

目次

試験内容と配点

DELF A2のPOは、A1と同様に3つのパートで構成されています。

まず最初にPartie 2とPartie 3で使用するお題のカードを2枚ずつひきます。

どちらのパートも2枚のうち1枚を選択する必要があります。

そのあと、これら2つのパートの10分間の準備時間が与えられます。

準備時間が終了したら、試験官のいる部屋に案内されるので、そのまま3つのパートを続けて行います。

  • 準備時間:10分間
  • 試験時間:6~8分間
  • 配点:25点満点(合格必要最低点5点)
Partie 1 : Entretien dirigé 自己紹介

所要時間:約1分30秒

試験官の質問に答える形で自己紹介を行います。テーマは家族や友達、学業、好きなものなどについてです。

内容に関して、試験官から追加で質問があるので、答えます。

例)”Présentez-moi votre famille. ” (家族について話してください)

“Quels sont vos loisirs préférés ?” (趣味は何ですか?)

Partie 2 : Monologue suivi 短いスピーチ

所要時間:約2分

あらかじめ選択したテーマについて話します。

内容に関して、試験官から追加で質問があるので、答えます。

例)AMIS “Décrivez votre meilleur(e) ami(e). Que faites-vous ensemble ?”

(「友達」親友について話してください。一緒に何をしますか?)

CINEMA “Quel(s) sport(s) pratiquez-vous ? Pourquoi ? Avec qui faites-vous du sport ? Où allez-vous en général ?”

(「スポーツ」スポーツは何をしますか?なぜ?誰としますか?いつもどこに行きますか?)

Partie 3 : Exercice en interaction ロールプレイング

所要時間:約3~4分

あらかじめ選択した日常生活のシチュエーションで、試験官とロールプレイングを行います。

例)不動産屋で物件探しをする、旅行に関して友達に相談する、など

採点基準

上記の3つのパートでは一体何が評価されているのでしょうか?

DELF/DALFを運営する”France Éducation international(FEI)”が公表している公式の評価表をもとに、詳しくみていきましょう。

採点項目

採点項目は大きく分けて、

  • 課題の遂行能力 (Compétences pragmatique et sociolinguistique)
  • 言語能力 (Compétences linguistiques)

の2つに分けられます。

①では、パート1から3までの課題の遂行能力、②では全体を通して、語彙・文法・発音の3項目が総合的に評価されます。

評価カテゴリー採点項目到達レベル
【課題の遂行能力】自己紹介– 自分や自分の身の回りのこと(家族、友達、学業、好きなこと、住まいなど)について話せる
– 個人的なテーマについての簡単な質問に答えられる
– 回答に簡単な詳細や具体例を加えることができる
短いスピーチ– 与えられたテーマについて、簡単に説明・描写できる
「いつ」「どこで」「誰が」「なぜ」「どのように」といった必要な情報を含めて説明できる
– 時系列やテーマに沿って、ある程度順序立てて話せる
基本的な接続表現を使って、情報をつなげることができる
ロールプレイ– 与えられた状況に応じて、自分からやり取りを進めることができる
提案したり、必要な情報を尋ねたり、伝えたりできる
– 基本的な挨拶や丁寧表現を使える
【言語能力】語彙– 課題で設定された場面に合った語彙を使える
– A2レベルで求められる基本的な語彙を使える
文法– A2レベルの簡単な文構造や文法(動詞の現在形複合過去形、 性数一致指示形容詞所有形容詞など)が使える
発音– 母語の発音やイントネーションに影響を受けていても、相手が理解できる発音で話せる
– 一部の単語については、試験官から言い直しを求められることがある

Partie 1 : Entretien dirigé 自己紹介

A2では、自分の基本情報を答えるだけではなく、回答に少し詳細や具体例を加えて話すことが求められます。

家族、仕事・学校、趣味、休日、住んでいる場所、過去の経験など、よく聞かれる身近なテーマについては、一問一答で終わらず2〜3文程度に膨らませる練習をしておくといいですね。

たとえば、”J’aime voyager(旅行が好きです)”で終わらず、” L’année dernière, je suis allée en France avec ma famille.(去年、家族とフランスに行きました)”のように、「いつ・どこで・誰と・何をした」などの情報を少し付け加えることを意識してみましょう。

Partie 2 : Monologue suivi 短いスピーチ

A2からは、ある程度まとまった形で話す力が求められます。

ポイントは、聞き手が話の流れを追えるように情報をつなげることでしょうか。

et / mais / parce que / puis / après / ensuiteなど、簡単な接続表現を使えるようにしておくと、単文を並べるだけではなく、時系列のわかりやすく一貫性のある発表になります。

よく出るテーマについて、1分半~2分くらいで話せるように練習してみましょう。

Partie 3 : Exercice en interacion ロールプレイング

最初と最後の基本的な挨拶も評価対象となりますので、必ず会話は自分からスタートさせましょう。

提案したり、情報について尋ねるシチュエーションでも、自分から積極的にやり取りをリードする姿勢も評価されます。

Lexique 語彙

A2では、家族、仕事、学校、趣味、スポーツ、旅行、買い物、食事、住居、交通といった自分の身の回りに関するテーマが出題されます。

そのため、よく扱われるテーマの単語を、自分が実際に使いそうな文とセットで覚えるのがおすすめです。

Morphosyntaxe 文法

A2では、現在形だけでなく、複合過去などを使って過去の出来事について話す力も必要になってきます。

文法問題を解くだけでなく、実際に使えるように練習することが大切です。

また、A2レベルの文法項目のミスよりも、A1ですでに習得していることが期待される基本的な文法のミスの方が、より厳しく評価されますので、まずはA1の内容(基本動詞の現在形活用、性数一致、文構造の順番など)をしっかり固めておきましょう。

Maîtrise du système phonologique 発音

ネイティブ並みの発音を目指す必要はまったくありません。

相手が理解できる発音やイントネーションをまずは目指しましょう。

知っている単語でも発音が間違って覚えていると通じないので、発音も必ず併せて確認するようにしてみてください。

試験官からもし聞き返されたとしても、ゆっくり、はっきりと言い直すことができれば減点対象にはなりません。

各項目の配点

それぞれの採点項目の配点は、「無回答・内容不十分」「A2未満」「A2」「A2+」の4つに分けられます。

採点項目無回答・内容不十分A2未満A2A2+
Partie 1012.54
Partie 2012.54
Partie 3012.54
語彙0135
文法012.54
発音012.54
無回答・内容不十分

発言内容が短すぎて、採点不可、もしくは趣旨から完全に外れている場合。受験レベルを大きく下回るレベル(A1以下)の場合。

A2未満

どちらかというとA1に近いレベルの場合。

A2

A2レベルに最低限相当しているが、まだ完全とは言えない場合。

A2+

A2レベルに十分に達している、もしくはそれ以上のレベルの場合。

この表を見てわかるとおり、「語彙」の項目が他よりも少し高い配点となっていますので、テーマに沿ってA2相当の語彙力をしっかりつけておくと安心です。

採点ポイント

それぞれの採点におけるポイントをより詳細に見ていきましょう。

Partie 1

A2未満
  • 自分の身の回りのことについて簡単な情報は伝えられるが、より詳細な回答には試験官のサポートが必要
  • 試験官から促されたら、簡単で短い情報を付け加えることができる
A2
  • 自分の身近な環境について簡単な文をつなげながら話せる
  • 試験官からの質問に答えることができる
  • 詳細や具体例を加えて回答を膨らませることができる
A2+
  • 日常生活や身近な環境、過去の活動や計画について話せる
  • 簡単な理由や説明を加えることができる
  • 身近なテーマであれば、試験官の質問に答え、無理なくやり取りを続けられる

Partie 2

A2未満
  • 身近な環境や日常生活について、簡単な文を並べて話せるが、話のつながりが途切れることが多い
  • 発表を膨らませるために、試験官からのサポートが必要
A2
  • 与えられたテーマについて、簡単な文をつなげて話すことができ、好き・嫌いなどについても、簡単に理由を説明できる
  • 個人的なことや日常生活に関するテーマであれば、全体としてまとまりのある発表ができる
  • 発表を膨らませるために、ときどき試験官からのサポートが必要になることがある
A2+
  • 与えられたテーマについて、好き・嫌いについて、理由を説明したり、好みについて簡単に説明しながら発表することができる
  • 接続表現が常に用いられていなくても、全体として一貫性のある発表ができる

Partie 3

A2未満
  • 課題をおおむね遂行できるが、やり取りを進めるために試験官のサポートが必要になることが多い
  • 基本的な丁寧表現を使って、簡単な社会的やり取りができる
A2
  • 場面に合った表現を使い、自分から積極的にやり取りに参加して、課題を最後まで遂行できる
  • よく使われる丁寧表現を使い、短いやり取りを始め、進めることができる
A2+
  • 日常生活の予測可能な状況であれば、大きな負担なく相手とやり取りできる
  • 自分でやり取りをリードすることができる
  • 状況に合った言葉遣いを使い、その場に必要な丁寧さを守って話せる

Lexique 語彙

A2未満
  • 初歩的な単語や表現を使うことができるが、課題に十分対応することはできない
A2
  • 課題で必要となるコミュニケーションにはおおむね対応できる
A2+
  • 身近なテーマであれば、問題なく自分の言いたいことを表現できる

Morphosyntaxe 文法

A2未満
  • 初歩的な文構造や文法を使えるが、正確にコントロールする力はまだ限定的
A2
  • 簡単な文構造や基本的な文法を使えるが、基本的な文法ミスが残ることがある
  • より複雑な文を作ろうとすると、間違いが生じることがある
A2+
  • 基本的な文構造や文法に加え、日常的によく使われる少し複雑な文構造も使うことができる

Maîtrise du système phonologique 発音

A2未満
  • 基本的な単語や表現を正しく発音できるが、完全ではない
  • 一部の単語について、試験官から言い直しを求められることがある
A2
  • ほとんどの場面で、相手に理解してもらえる発音で話せる
  • 一部の単語を聞き返されることはあっても、発言全体は理解できる
A2+
  • 全体的に正確な発音ができる
  • より複雑な単語では発音の問題が生じることがある

まとめ|採点基準を知ることがDELF対策の第一歩

今回は、DELF A2 Production orale(口頭表現)の採点基準について詳しく解説しました。

A2では、A1から一歩進んで、一問一答で質問に答えるだけでなく、詳細や具体例を加えられるようになる必要があります。

また、複数の文をつなげてある程度まとまって話したり、自分からやり取りを進めたりする力も求められるようになります。

普段の会話の練習でもこれらの点をぜひ意識して、取り組んでみてくださいね。

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